一段上をいく

リビングオフィスはどのようにして作りますか?この質問に答えるために、WHYは、成長を阻止していた本社が、社員とビジネスが成功できる職場になるまでのある会社の道のりを辿りました。これはシリーズのパート2です。 


作者: Mindy Koschmann

アートワーク: Geordie Wood

男性は、Setuスツールの女性に話しながら、起立した高さの面に傾きます。

人材は、すべての会社にとって最も重要な財産です。それにもかかわらず、現在の多くのオフィスは、彼らのニーズや活動を支援するようにはデザインされていません。リビングオフィスで、ハーマンミラーは、新しい種類のワークプレイスを提供しています。これは、人、仕事、そして成功するために必要なツールを研究に基づいて理解し、それに沿ってデザインされています。

髭剃り商品を販売する新興企業のHarry’sの新本社では、まだ木曜日の午前11時ですが、その物音からも分かるように、社員は仕事に没頭しています。プロダクトデザイナーのグループは、完全に閉鎖されている大きな会議室で、アイデアを説明しています。カスタマーサービスの担当者は、並んでいる長いベンチに座って、ヘッドセットで話をしています。そばにあるワークステーションでは、2人のグラフィックデザイナーがデスクに集まり、ウェブサイトのコンセプトについて話し合っています。そのうちの1人が電話に出るために、そばのラウンジエリアのソファに移動します。

光が満ち溢れる、レンガ壁の26,000平方フィート(2400平方メートル)の開放的なオフィスにもかかわらず、人々の話し声、タイプしている音、そして人の動きが気を散らすことはありません。3,000平方フィート(280平方メートル)のロフトで、電話をするために階段に逃げこまなくてはいけないほど騒音がひどかった以前のオフィスとは全く対照的に、周囲の静かな物音は、仕事をするのに、心地よい、エネルギッシュな場所となっています。

Harry’sは、ブルックリンを拠点としている建築会社のStudio Tractor、そして重大な目標の中でも特にオフィス内で人の邪魔となる原因を削減するリビングオフィスを作り出すハーマンミラーと提携しているため、販売代理店のWB Woodを選んで、協力を求めました。人と仕事を理解するための研究に基づくアプローチをするリビングオフィスは、Harry'sにとっては自然な解決策だと思われました。シリーズのパート1では、私たちは、世の中に何を提供しているのか、どんな会社なのか、そして社員は何をしているのかを、組織が特定できるようにお手伝いし、職場のデザインにその洞察を反映させることができる、Living Office Discovery ProcessSMを通じて、その立ち上げを追いました。このフォトエッセイでは、その結果をお知らせします。Harry’sチームの多様な活動をサポートするバラエティ豊かなセッティングを持ち、人材が増えるにつれて簡単に調整できる高パフォーマンスのリビングオフィスについてです。会社の成功に貢献できるように、気軽かつ自然に協力して働くことができる場所です。

Top: Executives meet with investors and other important guests in this formal Meeting Space. Left: At Harry's, you'll often find co-founder Jeff Radar in the office, chatting with colleagues. Right: Executives sit at a long bench near the entrance, so they are open and accessible to all.

よりフォーマルに迎える
成長する新興企業として、Harry’sは、未来の社員から、ジャーナリスト、投資家にいたるまで、いつも来客を迎えています。社員や物であふれていた以前のオフィスには、Harry’sの仕事に対する形式ばらない姿勢を反映して、来客をもてなしたり、個人的な会話を持つ場所がありませんでした。しかし発見プロセスにおいて、Harry’sの社員は、よりフォーマルな社風にしたいという希望を全員が述べました。スーツやネクタイといったフォーマルではなく、より組織化され、洗練され、そしてすぐ来客を迎える準備ができるようにしたいという意味です。

新オフィスの受付エリアのそばにあるエレガントな会議室は、その希望を満たしています。イームズのアルミナムグループチェア、大きなモニターとホワイトボード、そして前の会議室の壁とは異なり、天井まで届くガラス壁を装備して、Harry’sの役員が投資家や重要な来客と誇らしげに会うことが出来る場所です。役員チームは、近くのAGLテーブルに座っています。彼らは、プロジェクトや週末の予定など気軽な談笑のために社員が立ち寄ってくれるように、オフィスの入口近くの、オープンな場所に座ることを望みました。これにより、新オフィスは、急速な成長を維持するために必要なより組織化された活動をサポートしながらも、初期からの特徴的なHarry’sの文化であるカジュアルな雰囲気を保つようにデザインされました。

Top: When colleagues need to have longer discussions that might distract others, they move to a casual seating area away from the main workspace. Left: Products grace the walls of the main corridor, making a bold visual impression on passersby. Right: When phone calls or projects require privacy and focus, people relocate to meeting rooms, which are designated for quiet activities.

邪魔することなく協力しあう
社員同士が気軽に協力することは、Harry’sの急速な成長にとって、いつも大きな役割を果たしてきました。以前のオフィスでは、会話とは、他の人の邪魔をすることでした。今では、メインの作業空間での簡単なおしゃべりが長い議論へと発展したときは、カジュアルなチームワークを促進するためにフューズプロジェクトで特別にデザインされた、Public Office Landscape(パブリック オフィス ランドスケープ)のシーティングとテーブルへ移動することができます。スクリーンでオフィスの他の部分とこのスペースとが区切られているので、他の人の邪魔になることなく共同作業ができます。そして個人的な電話や、複雑なデザイン問題などの、熟考する必要がある作業を1人でするときは、閉鎖された小さなミーティングルームの1つに移動することができます。

色鮮やかなカミソリ、シェービングクリームやローションのボトル、そして写真の展示を含む、Harry’sブランドが表示されており、これらが多様なセッティングをつなぎ合わせる役目を果たしています。それらはまた、正当な価格で素晴らしいひげそりを提供するという、この会社の目的を社員に思い出させてくれます。 

Harry's café is a casual setting where people connect and share ideas over lunch.

交流にぴったり
メインの作業空間から離れた、広々としたHarry’sカフェは、いくつかのテーブルを隅っこに詰め込み、食べたり注文に応じたり、会議を開いたり、ノートパソコンで窮屈に作業していた、以前の休憩場所を改善したものです。この新しいスペースで、社員は、一緒に食事(または食べ物がたくさん入っている冷蔵庫の中のスナック)を楽しんだり、同僚と即座に話し合いをしたりできます。このカジュアルなセッティングは、同僚と話し合い、アイデアを共有し、生活や仕事について話す機会を社員に提供します。そして最終的には、Harry’sの社員の間に、強い帰属意識を植え付けます。

Top: In this Hive, people can easily transition between individual work and quick chats with colleagues. Left:The moment visitors enter Harry’s reception area, they are greeted with expressions of Harry’s brand. Right: Expressions of the brand are woven throughout the space, including furnishings finished in the blue of Harry’s logo.

カルチャークラブ
設立当社から、Harry’sのユニークな文化が、優秀な人材を魅了し、確保してきました。新オフィスは、集まって仕事をするためのより大きなスペースを提供するだけでなく、来客と社員に、その空間へ来る理由となった価値と目標を思い出させるものでもあります。Hiveセッティングと呼ばれる長いレイアウトスタジオのベンチとセイルチェアの組み合わせにより、製品開発とデジタルチームは、個人作業と同僚との軽いお喋りとを簡単に移行できるようになり、常に、全体的な見地から見ることができるようになりました。デジタルチームの作業空間では、リアルタイムで調整ができるように、大きなモニターが、Harry’sのウェブサイトのデータをライブで映し出しているので、チームは、何がうまくいっていて、何がうまくいっていないかすぐわかります。これらの大規模なデザイン上の選択ばかりでなく、デスクの脚、ソファの布地、そして壁の装飾にポップな彩りを添えているHarry’sロゴのブルーなどの小さなディテールが、空間をHarry’sブランドで生き生きとさせています。

This Meeting Space is outfitted with everything people need to share ideas with colleagues both present and remote.

ミーティングをする理由
Harry’sのスタッフが新オフィスのMeeting Spaceについて考えたとき、自分自身に「なぜ私たちは会議をするのか?」などという質問を問いかけました。「会議では何をするのか?」「アイデアを共有するために必要なツールは何か?」これらの質問への答えは、あまりにも多様であったために、デザインチームは、チーム全体が毎週情報更新できる従来のMeeting Spaceから、小規模なグループが書類などを広げたり、散らかしたり、アイデアを展開できるプロジェクトルームにいたるまで、グループワークのための様々なセッティングを用意しました。 

Top: In this Clubhouse, people can easily gather around a workstation to discuss a project. Left: When conversations at the desk become longer discussions, people move to a Cove so they can meet without distracting others. Right: Height-adjustable work surfaces encourage healthy transitions between sitting and standing throughout the day.

集いの場所
会話が簡単にできるようになると、社員の結びつき、アイデアの共有、問題解決が簡単になります。発見プロセスによりHarry’sにとって、イノベーションの優先順位が高いことが明らかになったため、新オフィスには、(予約が必要な部屋だけではなく)人が集まれる場所をたくさん設けました。Clubhouseと呼ばれるこのワーキングネイバーフッドでは、グラフィックデザインチームのメンバーが曲線的なロカールのデスクに気軽に集まって、スクリーンを見ながら新キャンペーンについて議論を交わすことができます。デスクはすべて高さが調整できるために、一日を通してさまざまな姿勢を取るように奨励しています。パソコンなどに邪魔されることなく、会話を楽しむために作業空間から離れたいメンバーは、イームズのシェルチェアと快適なソファが備えられているすぐ近くのCoveに移動できます。

財産の形成
未来の社員や投資家に良い印象を与えることから、ブランドを促進するために社員間の生産的な協力関係を促進することまで、Harry’sの新しい職場は、会社の成長を支援する価値のある財産です。その成長は測定するのは難しいですが、不可能なことではないので、おのずと分かることでしょう。リビングオフィスが社員とビジネスへ与える影響を証明するために、ハーマンミラーのリサーチチームがHarry’sとどのように協力しているのかをまた後日ご報告します。