未来の働き方に対する7つの予測

雇用形態の変化から要望に応じたオフィスのデザインまで、次世代の建築家とデザイナーが未来のオフィスについて思い描くことについて見てみましょう。


アートワーク: Clay Hickson

撮影者: Lance Nelson

ピンクとパープルの花が咲いているイエローのライトバルブを持つ手の挿絵

Future Stateワークショップシリーズ

未来の働き方という進行中のシリーズの一環として、ハーマンミラーは、4つのFuture Stateワークショップに、米国とカナダの新進気鋭のデザイナー80人を招待しました。彼らは、未来の働き方、オフィス、進化するデザイナーの役割について、自分達の直感や自由なアイデア、懸念、そしてとても斬新な意見を共有してくれました。彼らが作り出そうとしている環境が、5年、10年、または20年後にどうなっているのかという、7つの予測についてお伝えします。

将来、私たちの働き方はどのように変わっているのでしょうか?

人びとが給料と意義ある仕事を常に重視している一方で、私たちの理想とする働き方は、テクノロジーと世界の変化に伴い進化するでしょう。

ヨガのポーズで座る、髪の長い人のピンクの挿絵。ラップトップや時計、バスケットボールやギターなど、仕事とプライベートのオブジェクトをジャグリングしている

1. ワークライフバランスを習得する

Future Stateの参加者たちは、将来、人びとと会社は、より深く、より意味のある形で仕事と生活が関わり合えるように、仕事と生活の間に、より良好な境界を築いていることだろうと予測しました。これは、テクノロジーを断つタイミングを学び、マルチタスクを終わらせ、自分達が働くことに最も適した時を理解するために分析を使用し、そして最も能力を発揮できる時間帯(9~5時ではなく)に働くことができる仕事を見つけ出す、ということを意味します。

ピンクでウォッシュした写真中では複数のデザイナーが今後の仕事について話をし、大型のノートパッドでその概略を説明している

2. 実際にあって会話をする時間を作る

私たちが話しを聞いたデザイナーは、自宅で働くことから得られる恩恵(パジャマのままでいられる気楽さ、生産性など)は、ある一定の期間は満足感を与えてくれるだろうと予想しました。最終的には、オフィス内で得ることができる直接のつながりを求めることになるといいます。Future Stateの参加者たちは、コミュニケーションテクノロジーが向上すればするほど、私たちは自然に分断されていくため、未来のワークプレイスは、そのような世界において、エネルギーを引き寄せて集めるマグネットのような機能を果たすと考えています。彼らは、本当のつながりを発展させる、フェイスタイム(iPhoneのではない)できるスペースデザインを推し進めています。

ウォータークーラーの隣でカップを合わせる2つの手が描かれたピンクの挿絵

ワークプロセスはどのように進化するのでしょうか?

私生活において即座の満足感と瞬時のフィードバックを得ようとする私たちの能力が、最近の猫のミームのように急速に加速するにつれ、私たちの仕事のやり方に対する期待も加速することでしょう。

ライトバルブの箱を棚から降ろし、ショッピングカートの中に入れる人が描かれたイエローの挿絵

3. 人材配置に対するAmazonのアプローチ

「欲しい物を、必要な時にすぐください」というAmazonの考え方がすぐに、ペーパータオルや高級テレビ以外にも適用されるようになるでしょう。Future Stateの参加者たちは、このスピードを求めるニーズが、フリーランサーの急増と相まって、会社の人材配置に新しい方法をもたらすと推測します。組織は、豊富な数のコンサルタントを目的に合わせて厳選して、プロジェクトごとにチームを構築、再構築するでしょう。この雇用形態の変化により、業界の最優秀な人材を特定の仕事のためにすぐに利用できることで、プロセスが促進し、より早く市場に出すことができ、より良くより速くデザインでき、生産的な革新がもたらされるでしょう。

4. クライアントのフィードバックの素晴らしい新時代

Future Stateの参加者たちは、人々が音楽、家具、照明、そして部屋の雰囲気にどのように反応しているのかを、正確にデザインチームに示すことができるスマートデバイスを夢見ています。装着しているウォッチがユーザーの反応を捕らえて、そのデータをアプリに読み込むと、アプリはPinterestページを読み込み、製品の提案をし、気持ち良い感覚(クライアントが苦労して必死に表現しようとしている)を実際のデザインインスピレーションへと変換します。ウォッチとアプリの両方から、決断を下すために必要な、その部屋に関する直接的な反応と情報を得られるのです。

ワイングラスを持ち上げ、スクリーンにハートが見えるスマートウォッチをした手が描かれたイエローの挿絵
コントロールステーション、イームズ シェル チェアを持ち上げるロボットアーム、夕焼けが映る壁掛けプロジェクターのイエローの挿絵

5. テクノオプティミズムへの傾向

クライアントからの土壇場での不可能な要求(予算を50万ドル削る、8階建てで10階建てのビルの価値を持つ)は、もうすぐ過去のこととなるでしょう。4つのイベントを通して、私たちは、ロボットコントラクター、次のレベルのモデリングソフトウェア、自動化されたオンデマンドの家具製造について聞きました。デザイナー達はテクノロジーと私たち個人の関係との懸念を口にしたにも関わらず、デザインプロセスを支援するAI、ビッグデータ、ロボット工学の未来については大いに歓迎しています。

何が働く場所を定義するのでしょうか?

Future Stateの参加者たちは、近い将来、あらゆる場所がオフィスになり、自分の好きなように作ることができる、と予測しました。

6. 要望に応じたオフィスデザイン

現在人びとは、自分のニーズにより良く対応するように、オフィスをハックしています(そして後で同僚の許しを請います)。でも将来、その瞬間のニーズを基に、ユニークにデザインされたスペースに影響を与えることが出来るのみならず、それをコントロールできることができたらどうでしょうか?Future Stateの参加者たちは、Sensifyと呼ばれる新種のオフィスデザインテクノロジーを心に描いています。それは、スペース内の高度なテクノロジーを持つ白壁を、希望通りに変えることが出来るアプリです。インスピレーションを与えるスペースが必要ですか?山々の景色をあらかじめ設定しておいて、その壁に映写します。ボスがオフィスに訪ねてくる予定ですか?最新の顧客分析を表示するように設定しておきます。

森の中に置かれたイームズ アルミニウム グループ チェアとネルソン スワッグ レッグ デスクのブルーの挿絵
ホワイトボードの近くに立って、複数のデザイナーに発表している人のブルーでウォッシュされた写真
「オフィス」と「25セント」という言葉が書かれた電話ボックスのブルーの挿絵前方にある給水栓の上に座っているハト

7. 分散型オフィス

どこでも働くことが出来るのは素晴らしいことですが、しかし世界中のパートナーと協力して働くために必要な最高のWi-Fi環境やテクノロジーが常にどこにでもある訳ではありません。Future State参加者は、ますます分散している人材のために、ますます分散しているワークプレイスのニーズに対応するチャンスがあると見ています。グローバルな本社はなくなるでしょう。世界中のスペースにWork Podが並んでいて、サインインして、好きなだけそこに滞在して仕事ができるようになるでしょう。さらに、Sensifyが導入されているWork Podについて想像してみてください。なぜなら、あなたの住まいの近くの、デンマークデザインとモロッコ伝統のリヤドの雰囲気を持つWeWorkが誰にでも快適だとは言えないからです。

次のFuture Stateは?

Future Stateは3年目の準備をしていますが、将来に目を向けるのはもちろんのこと、振り返ってみることもしています。Future Stateの過去2年間の予測を評価して、その中のいくつかを使用して市場に対応する方法をお伝えしたいと思っています。私たちは、会話を続けること、未来の働き方に対する大きなアイデアを探り続けること、そして皆さんから学び続けることを楽しみにしています。