優雅なカーブ
ジョージ・ネルソンは、このグループのデザインを脚部の構想から始めました。 彼が特に力説したのが、脚部は機械で成型され、金属製でなければいけないということでした。それに加えて美しさ。優雅なカーブを描く脚を持った家具を思い描いていたのです。また、デスクとテーブルはコストのかからない組立式で出荷できるよう、ユーザーが簡単に組み立てることのできるものにしたいと望んでいました。
こうした脚部を製造するのに最適だったのが、金属製のチューブに圧力をかけ、先に行くにつれて細くなるようにしながらカーブをつける「スウェージ(swage)」と呼ばれる加工法だったのです。 この技法によって、16ゲージのスチール製で調節可能なグライズをもつ脚部が誕生しました。さらに、この脚部をウォールナット材の横板でつなげることで、安定性と耐久性の高いベースが完成されたのです。
いったん取りかかると、ネルソンはデスクだけでなく、ほかのファニチャーのデザインにも着手しました。まず、書類や道具を広げておくことのできるワークテーブルをデザインしました。さらに円形と長方形のダイニングテーブルもデザインしました。脚部の間にウォールナット材の横板を配したベースのデザインは共通ですが、座る人の足の邪魔にならないよう横板は十字型に組み合わされました。ネルソンスワッグレッググループでは、脚回りに細かな配慮が払われています。