デザインストーリー
軽量な一体型のシェルチェアを生み出したアイデアは、1939年に遡ります。チャールズ・イームズとエーロ・サーリネンは、クランブルックアカデミーで成型プライウッドについての実験をそれぞれ異なる方法で始めました。チャールズは1941年にレイ・カイザーと結婚すると、二人でカリフォルニア州ヴェニスのイームズスタジオで実験を行いました。
1948年には、ニューヨーク近代美術館が主催した「ローコスト家具デザイン国際コンペティション」に金属板をプレス加工したシェルチェアを出品しました。このチェアは第2位に選ばれましたが、イームズ夫妻はスチールでは冷たく、そのうち錆びるかもしれないと判断しました。そのため実験を繰り返しました。夫妻はある船大工にコンタクトし、ファイバーグラスシェルの試作品を作りました。その後、シェルチェアを大量生産できるパートナーを探し始めたのです。1950年には、ハーマンミラーがこの多彩なチェアを世界に発表し、今ではデザインのアイコンとなっています。