数十年にわたるデザインリサーチの成果
チェアが、座った姿勢での身体に及ぼすマイナスの影響を抑えるだけでなく、さらに何かできないだろうか?それはデザインスタジオにて、ジェフ・ウェバーと故ビル・スタンフが持った斬新なアイデアでした。彼らは、実際に身体にプラスの効果をもたらすチェアをデザインしようと試みました。「製品が何であっても、ユーザーへの共感がなければデザインは不可能でしょう」と、ケイパーチェアのデザインも手がけたウェバーは、そう語っています。「テクノロジーに基づく設計が主流となって、私たちデザイナーもコンピュータに向かって働く時間が増えました。私自身、長時間座り続けることによって起こる問題を、身をもって体験していたのです」
健康にプラスの効果をもたらすチェアを作ることはできたのでしょうか?
アーロンチェアとエクアチェア、アーゴンチェアといった数多くのチェアをデザインし、ハーマンミラーと共に30年にわたり働いてきたビル・スタンフが、この新しいアイデアをハーマンミラーにもたらした時、「そんなチェアを設計し、製造できるのだろうか?」という意見が出たのも不思議はないでしょう。初期に、私たちは以下の3つの仮説を検証するために、専門家と議論を交わしました。ワークチェアは、健康に悪い影響を与えないというレベルだけにとどまらず、健康にプラスの影響または心の健康にも良い効果を与えることができる。
ワークチェアの表面背もたれの動的な表面圧力は、静的な表面圧力に比べて、身体をより快適に保ち、活性化させ、健康にプラスの効果を与えることができる。ワークチェアは、個人ごとに異なる背骨のカーブに関わらず、自然にバランスのとれた姿勢(直立姿勢をとったとき、目と目の間がちょうど腰の中央の真上に来るような平衡状態)を保てるようにすることができる。