「新しいソファをデザインするという場合、往々にして、これまでにない形状にしなければならないとか、何らかの新しさを感じさせるものでなければならないというプレッシャーがあるように思います」とローガンは言います。「しかし実際のところ、ソファのような家具は常に、目新しさよりもフィット感や快適性、そして他の家具との調和性を追求することが大切です」
ローガンは、インテリア設計プロジェクトの経験から、自然と家具デザインにも興味を抱くようになりました。ニューヨーク市に移り住んでから10年ほど森俊子やエドワード・ララビー・バーンズといった建築家のプロジェクトに関わった後、彼は市内に自身の建築事務所を開業しました。まだインターネットが普及していなかった1990年代には、事情通の建築家でさえも、ニューヨークの家具市場に限界を感じていました。ローガンは市場で入手できるものを補完するために、毎年スカンジナビアに旅行するたびに、様々なプロジェクト用に家具を調達して帰ってくるようになりました。さらに、ビルトインやオーダーメイドの家具もデザインするようになりました。
建築家がデザインした家具はバランスとプロポーションを重視する傾向が強い中、ローガンはそれ以外の重要な要素である「快適性」の実現にこだわってプロトタイプを設計しました。「図面を描いて模型を作ったとしても完全に理解できないのが、快適性です」と彼は言います。「実際にテストしてはじめて、背もたれの角度はどうか、シートの高さはどうかといった感覚がわかるのです」