Carol Catalanoによる製品
高校卒業後、ロードアイランド・スクール・オブ・デザイン(RISD)に入学したCatalanoは、そこでインダストリアルデザインと出会い、クリエイティブな興味を注ぐ方向が決まりました。「最初のプロジェクトを完成させた後、自分のライフワークを見つけたと確信しました」と語るCatalano。
RISD で受けたトレーニングは、創造性を新しい次元に高めてくれたと言います。「とても実践的なアプローチのプログラムで、在学中は機械実習室や木工実習室で素材を相手に長時間過ごしました。」この実践的なトレーニングは、カペリスツールの開発時にも役立ちました。「日本の旭川国際家具コンペティションの要件の1つとして、フルサイズの試作品を作る必要がありましたが、家のガレージで製作しました。」
この努力は実りました。彼女のデザインしたスツールは、1999年、この権威あるコンペティションで銀賞を獲得しました。 世界各国からの700点以上のエントリー中で賞を得たのはわずか8点、アメリカ人デザイナーではただ1人の入賞でした。
1987年に自らの事業を立ち上げて以来、Catalanoはそのクリエイティブな才能でさまざまな製品を生み出してきました。彼女がデザインした製品には、合板のイヤーカップを備えたハイエンドなヘッドフォン、脳波を記録するEEGヘッドセット、二つの用途の刃を備えたフィレナイフ、カスタマイズ可能な日常使いのアイウェアなどがあります。
それまでに扱ったことのない新しい業界の製品について学ぶのは、自分の仕事の中で最も難しく、また得るところも大きい経験だと彼女は語ります。そして、「学んだものに対して、アーティストとしての表現を提供するのが大好きです。常にアイデアを『異種交配』させる方法を探しています」と話します。たとえば、Catalano DesignによってデザインされたCapelli StoolとHifiman HE1000ヘッドフォンの成形イヤーカップは、双方に同じ成形木材製法を取り入れています。
Catalanoは自分の領域を押し広げることを好み、手がけるデザインはどれも、エンドユーザーの使い心地を優先してきました。「以前は、良いデザインを作ることだけを考えていました」と彼女は言います。「でも今、どのようなプロジェクトでも最初に考えるのは、使う人の暮らしをどれだけシンプルに豊かにできるか、ということです」
仕事に注ぐエネルギーと熱意を見れば、彼女が自分の選んだキャリアをどれほど愛しているかが分かります。オフィスにいないときは、建築家のご主人とヨットで世界を探索し、家族で過ごす時間を楽しんでいます。